痛み止めの歴史と意外な副作用 ~長く使うと起こりやすい“オピオイド誘発性便秘”に注意~

痛みを鎮める薬の歴史と現代の課題

人類が**ケシ(Papaver somniferum)**の乳液(アヘン)を利用し始めたのは、紀元前3400年頃の古代メソポタミアまで遡るとされています。数千年にわたり、ケシは強力な鎮痛薬として重宝されてきました。

現代の医療で使われるモルヒネやコデインをはじめとするオピオイド鎮痛薬は、このケシ由来の成分(または合成成分)が基となっています。これらは癌(がん)の痛みや慢性的な痛み(慢性疼痛)の治療において、今や欠かせない薬です。

ケシの花

                                              ケシの花

避けられない副作用「オピオイド誘発性便秘(OIC)」

非常に有用なオピオイド鎮痛薬ですが、長期間使用すると、ほぼ避けられない副作用があります。それが**オピオイド誘発性便秘(OIC:Opioid-Induced Constipation)**です。

オピオイドは、脳だけでなく腸管にある「μ(ミュー)オピオイド受容体」にも作用します。その結果、以下のようなメカニズムで強烈な便秘が生じます。

  • 腸の蠕動運動の低下: 腸が便を運ぶ動きが止まってしまう。
  • 便の水分減少: 便の水分が腸に吸収されすぎてしまい、硬くなる。
  • 排便感覚の低下: 便意を感じにくくなる。

この便秘は「お腹が張る」「数日出ず苦しい」「我慢しても出にくい」といった特徴があり、患者さんのQOL(生活の質)を著しく低下させます。

便秘に困ったらご相談を!

「痛み止めを使っているから便秘は仕方がない」と諦めていませんか? 生活習慣の見直しや適切な下剤の組み合わせ、さらには便秘専用の新しいお薬などを活用し、患者さんの状況に合わせた対策をご提案します。

また、便秘が長く続く場合は、他の消化器疾患が隠れていないか確認することも重要です。当院では痛みを最小限に抑えた丁寧な内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)も可能ですので、必要に応じて正確な診断を行うことができます。

お腹の調子が悪いと感じたら、我慢せずお気軽に町田北口消化器・内視鏡内科クリニックへご相談ください。痛み止めを続けながらも、快適な毎日を送れるようしっかりとサポートいたします。

大腸内視鏡