冬の足音が聞こえてくると、当院の診療でも増え始めるのが「ノロウイルス」による感染性胃腸炎や食中毒です。 「食中毒は夏のもの」というイメージがあるかもしれませんが、実はノロウイルスによる食中毒は冬場(11月〜2月)に集中して発生します 。
今回は、ご自身やご家族を守るために知っておきたい、ノロウイルスの特徴と対策についてお伝えします。
1. 厚生労働省の統計で見るノロウイルスの実態
厚生労働省の統計によると、年間を通じて発生する食中毒のうち、ノロウイルスによるものは件数・患者数ともに非常に多いのが特徴です。
- 流行のピークは今: 年間の発生件数のうち、約60%(80件)が11月〜2月の4ヶ月間に集中しています 。
- 強い感染力: 1件あたりの平均患者数は約36.7人と、他の食中毒(平均8.4人)に比べて圧倒的に多く、家庭内や施設内での二次感染が起きやすいことがわかっています 。

2. 主な症状と注意点
感染から発症までは24〜48時間の潜伏期間があります 。
- 主な症状: 吐き気、激しい嘔吐、下痢、腹痛、微熱 。
- 特に注意が必要な方: 乳幼児や高齢者の方は、嘔吐物を吸い込むことによる肺炎や窒息、激しい下痢による脱水症状に注意が必要です 。
3. 効果的な予防のポイント
ノロウイルスには、一般的なアルコール消毒が効きにくいという特徴があります。以下の2点を徹底しましょう。
- 「石鹸」での手洗い: 石鹸自体にウイルスを倒す力はありませんが、指先、爪の間、手首などの汚れと一緒にウイルスを物理的に洗い流すために非常に重要です 。
- 「塩素系消毒液」の使用: トイレのドアノブや、患者さんの嘔吐物・衣類の消毒には、次亜塩素酸ナトリウム(ハイター等の塩素系漂白剤)を適切に薄めたものを使用してください 。
ノロウイルスに関するQ&A(総合トップページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
4. もし感染してしまったら
ノロウイルスには特効薬がありません。治療の基本は、脱水を防ぐための「こまめな水分補給」です。 激しい嘔吐や下痢が続き、水分が摂れない場合などは、早めに当院のような専門の医療機関を受診してください。
当院では、お腹の不調に関するご相談をいつでも受け付けております。 皆様が健康に冬を過ごせるよう、適切な診断とアドバイスを心がけております。
