胸焼けとは
胸焼けとは、「喉の奥から胸の真ん中、みぞおちにかけて、熱くこみ上げてくるような不快な感覚」のことです。
「胸が焼けるようにヒリヒリする」「酸っぱいものが上がってくる」「食べ物がつかえたような感じがする」などと感じる方もいらっしゃいます。
この症状は、食道に胃酸が逆流することで起こります。一時的なものではなく、繰り返し起こる場合は病気のサインかもしれません。
胸焼けの原因
胸焼けの最も一般的な原因は、胃酸が食道に逆流して炎症を起こすことです。
しかし、胸の不快感は食道や胃の病気だけでなく、他の重大な病気のサインである可能性も考えられます。
考えられる主な原因
消化器系の病気
逆流性食道炎: 胃酸が食道へ逆流することで、食道が炎症を起こし、胸焼けが起こります。
食道がん・胃がん: 稀ではありますが、これらの病気でも胸焼けのような症状が出ることがあります。
消化器以外の病気
心臓病: 狭心症や心筋梗塞など、心臓の病気が胸焼けや胸の痛みとして感じられることがあります。
特に「胸の痛みが強い」「冷や汗が出る」「体を動かした時に症状が出る」といった場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
当院では、内視鏡専門医丁寧な診察を通じて診断していきますので胸焼けの症状がある場合はご相談ください。
胸焼けの検査と治療
胸焼けの症状は、単なる食道~胃の不調だけでなく、時に心臓の病気など重大な疾患のサインである可能性も考えられます。そのため、当院では症状の緊急性と原因を慎重に見極めながら、検査を進めます。
1.検査の流れ
原因 | 疑われる疾患 | 当院での対応 |
消化器系の疾患を疑う場合 (主に胃酸逆流、食道・胃の不調) | 逆流性食道炎、食道がん、胃炎など | 胃カメラ(胃内視鏡検査)を検討します。 |
消化器以外の疾患を疑う場合 (胸の痛みが強い、冷や汗を伴うなど) | 心疾患(狭心症、心筋梗塞など) | 心電図検査を行い、緊急性や専門医による鑑別の必要性を検討します。 |
胃カメラ検査について(消化器疾患の精密検査)
当院では、胃カメラ検査において以下の点に注力しています。
・詳細な観察範囲: 食道、胃、十二指腸の途中までを丁寧に観察します。
・食道がんの早期発見: NBI(狭帯域光観察)という特殊な光による観察を全例に併用し、微細な食道がんの早期検出に努めます。
2.治療方針
検査結果に基づき、患者さんとご相談の上、最適な治療方針を決定します。
逆流性食道炎と診断された場合
主に、以下の治療を組み合わせます。
1.生活習慣指導: 胃酸の逆流を防ぐための食事指導(食べ過ぎを避ける、食後すぐの横臥を避けるなど)を行います。
2.薬物療法: 症状を抑えるための**制酸剤(胃酸の分泌を抑える薬)**などを処方します。
消化器以外の疾患が疑われた場合
心疾患など、緊急性の高い疾患が疑われる場合は、迅速に専門性の高い循環器内科など適切な医療機関へご紹介し、連携して治療にあたります。
原因が特定できない場合
胃腸の症状は、必ずしも内視鏡や血液検査だけで原因が特定できるわけではありません。当院では、患者さんの日常生活の状況を丁寧に伺い、何が最善の選択かを一緒に考え、治療方針を決めてまいります。
患者さんへのメッセージ
「単なる胃もたれだろう」「我慢すれば治るだろう」と、胸焼けを放置していませんか?
繰り返し起こる胸焼けは、生活の質(QOL)を大きく低下させるだけでなく、時に逆流性食道炎や心臓病といった、より重大な病気のサインであることがあります。
「そこまでつらくないから」「病院に行くほどではない」と感じていても、その不快感が続くなら、それは体が発しているSOSかもしれません。
胸焼けは、内視鏡専門医である当院が最も得意とする症状の一つです。
症状の程度にかかわらず、決して一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。丁寧な診察を通じて、最善な検査治療を考えていきます。あなたを不快な症状から解放し、快適な毎日を取り戻すお手伝いをいたします。